新規営業を進めるにあたり、最も大切なのが「営業リスト」の作成だ。「リストの精度が低いと営業効率が下がり、成果に差が生まれます。過去のリストや調査会社の業種別企業資料、インターネットなどを駆使して営業スタッフ自らがリストを作成していきます。」『K』はそう話す。
新規営業のターゲットとなるのは、廃材などが生まれる解体業者や新築工事の際に端材が出るゼネコン企業、木製パレットを使用する物流業界など。木を扱うすべての業種が、フルハシEPOの営業ターゲットとなる。若手が作成した営業リストは必ず先輩や上司のチェックを受ける。それは既存のお客様に間違ってアプローチしてしまうミスを避けることや、的確な営業先を見つけ出すことで精度を上げていくことにつながるからだ。営業部全体が一枚岩となってチームで営業を行うことで、これまでに膨大な新規顧客を開拓してきた。
リストアップが完了すると、得意先フォローの合間を活用して電話でアプローチを行っていく。この電話営業で大切なのが、「いかにして決定権者にたどり着くか」ということだ。はじめは受付や事務の方が電話に出ることが多いため、フルハシEPOが手がけるビジネスの必要性を丁寧に説明して決裁権を持った担当者様につないでもらう。
営業となってはじめのうちは、数十件の電話を行っても1件のアポイントも取れずに落ち込むこともあった。「しかし、徐々に結果が伴ってくると、その難しさが逆に営業の醍醐味へと変わるんです。」『K』は、明るい表情でそう語る。
フルハシEPOの事業に興味を持ったお客様とのアポイントが取れたら、いよいよ商談へと進む。電話でのやりとりからお客様のニーズを想像し、プレゼンテーションを行うのだ。しかし、この商談で最も大切なのが「より細かなお客様のニーズを引き出す」こと。準備した提案内容を一方的に話すのではなく、お客様の興味の対象や抱えている課題がどこにあるのかを引き出し、見極めることが重要だ。
ある程度の木質廃棄物が出る企業は既に他社との契約を済ませていることも多いのだが、フルハシEPOのサポート体制や業界初のプリペイドカードを採用したシステムの優位性、複数の工場を選べる立地面のメリットなどを熱心に伝えることで、契約につなげていく。排出物の引き取りが必要な場合には、グループ会社と連携をして収集・運搬の段取りを行うこともある。
「新規営業への動きが成約に結びつくと、自分のモチベーションもアップします。しかし、そこで気を抜かずに契約締結まで慎重に進めます。」『K』は続ける。「たとえば、契約時にはお客様のほうで産業廃棄物管理票というマニフェストを発行する必要があるのですが、発行方法がわからない場合にはひな形を用意して詳細を説明します。さらに、運搬先となる各工場とも密な情報交換を行い、スピーディーな荷下ろしができるよう連絡を取りコントロールします。」これからも先輩や上司の指導やアドバイスを仰ぎながら、目標達成に向けた『K』のチャレンジは続く。