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2022年5月、木質リサイクル工場が岐阜県大垣市に誕生した。
フルハシEPOとして岐阜県内に2拠点目となる
廃木材を木質チップへリサイクルする新工場だ。
その新規プロジェクトに挑む業務開発部の
キーマン・倉本が新工場の完成までを語る。

建設予定地に“最適な青写真”を描く。

これまでに建物の設計をはじめ複数の立ち上げに携わってきた倉本。敷地の大きさや地形は工場ごとに異なるため、重要なのは、さまざまな視点から現地の調査を行って建物の設計や機械のレイアウトを検討すること。
倉本が今回のレイアウトで特に気を遣ったのが、メインの破砕機を置くポジションだった。
「破砕機は木材を叩いて砕くため、音と振動が発生します。それによって近隣に迷惑がかからないよう、多くのプランを幾度となく検討し、位置決めや仕上げ材の検討を行いました。」

新工場建設のパートナー企業を選ぶ。

工場の立ち上げには、導入する機材のメーカーや工場建設を取りまとめる建設会社の協力が必要不可欠。
倉本はベストな工場を創り上げるため、フルハシEPOの想いを共有できるパートナー選びにもこだわり、慎重な業者選定を行った。
複数のメーカーから情報を取り寄せ、現場の第一線で指揮をとる工場長の意見も集約しながらメリット・デメリットを洗い出し、価格面でも比較を行いながら業者を決定した。

地域に根付く工場を目指して。

「今回の新工場の近隣には、商業施設や住宅などがあるため、木質チップの飛散防止や騒音対策などの必要性が通常よりも高いレベルで要求されました。また、大垣市は水の都と言われている土地柄でもあるため、万が一車両等から油が漏れ出した場合においても、敷地外に流出することのない設備を的確に選定する必要もありました。これらの内容を調整することには、多大な時間と労力が必要でした。」このプロジェクトの難しさを、倉本が語った。
「もっと効率を良くするには? 重機の電動化は可能か?」など、決めるべき事項を1つ1つ詰めていった。もちろん、プロジェクトの中には倉本の独断ではジャッジできない案件も数多く出てくる。その際には正確な情報を上司にあげることを心がけ、スムーズな進行につなげた。

木材と共に歩む未来。

工事が進んでいくにつれ、図面上では確認できなかった誤差や調整点が出てくる。図面どおりではあるものの、使い勝手の面から大幅な修正が必要となることもある。工期は死守しながらもより良い工場にするために、ギリギリの状態での建設会社との粘り強い交渉が必要となった。また、工事に並行して行政への許認可手続きなども必要となる。行政担当者と認可の交渉を重ね、営業部と協力して近隣とのコミュニケーションを深める活動にも尽力した。
「新工場立ち上げプロジェクトは2022年6月で完了しましたが、工場はそこからがスタートです。木質廃棄物のリサイクルを安定的に行うために、絶え間ない改善やメンテナンスを続けていきます。」倉本はそう、力強く話してくれた。