会社を知る
2022年の上場以来、フルハシEPOは事業拡大に伴い、
毎年新たな木質リサイクル工場を立ち上げている。
廃木材を木材チップへリサイクルする工場、
その立ち上げに携わるのが生産管理部である。
今回は、生産管理部のキーマン『S』に、
新工場立ち上げに至るまでについて語ってもらった。

行政との根気強い折衝と迅速な対応が重要。

「“新しく工場を建てる”と一言に言っても、必要な準備が数多くあります。そのなかで私が主に担当しているのが、行政からの許認可の取得です。」
工場立ち上げの最前線に携わっている『S』。建設予定地となる土地には、その地域ごとに異なる条例による規制が存在する。それらのチェックをはじめ、許認可申請先となる行政との折衝などを繰り返すのと同時に、数種の書類を作成し、申請手続きを進めていく。このとき重要なのは、提示される様々な条件に対し、的確かつ迅速に、そして根気強く対応していくことだと語る。
「自治体ごとの条例によって、提出を求められる書類も異なります。毎回同じものを用意すれば良いということはなく、都度確認が必要となるため、慎重に事を運んでいく必要があると考えています。一方で、最たる目的は最短期間で工場を稼働させることなので、少しでも早い対応を心がけています。」

社内外との連携を重ねて。

許認可の申請書類のなかには自分たちだけでは用意できないもの、例えば工場建屋の建築設計図のような、外部の建築会社に依頼しなければならないものも含まれている。そのため、部内や社内だけでなく、外部との協力も必要不可欠となる。『S』は緻密なスケジュール管理を行い、法令チェックなどの作業と並行しながら各種調整も行っている。
「関係各所との連携はなかなかどうして一筋縄ではいかない場面もありますが、責任感を持って臨んでいます。」

地域に根付く工場を目指して。

「工場を建てるためには、行政から許認可を得るだけで良いというわけではありません。その近隣には商業施設や住宅などがある場合もあります。当社の工場はその作業内容上、木材チップの飛散や騒音・振動の発生などが懸念されます。当然対策はしっかりと行っていますが、このことを近隣住民の方々に理解していただく必要もあります。そのための近隣住民説明会を執り行うことも、生産管理部の仕事のひとつです。」
何のための工場なのか、懸念される事柄への対策はどうするのかなど、伝えなくてはならない情報や伝えるべき情報を整理し、ご理解いただく。その難しさを『S』が語った。
「近隣住民の皆様は何を気にされていて、どのような不安があるのか?それらに対し自分たちはどのように応えることができるのか?ここを蔑ろにしては、当社の目指している“地域に根付く工場”にすることなどできないと考えています。だからこそ、丁寧な準備をするよう努めています。」

木材と共に歩む未来。

労を惜しまず完成させた申請書類を提出し、ついに許認可がおりる。
「いち早く許認可を得て、いち早く工場を建てることが私たち生産管理部の使命だと考えています。私が担当する許認可申請というのは、やはり一朝一夕ではいかない仕事であり、時には心が折れそうになることもありますが、その分、終わったときの達成感もひとしおです。」
申請手続きが進んでいくに伴って、大小様々な変更点や調整点が出てくる。その度に新しい書類を用意し、再申請を行う。もちろん、その過程で『S』だけでは判断できないことも数多く発生するが、そういう時こそ速やかに上司に相談することを心がけている。それにより的確な判断ができ、正確な情報が共有できるので、自分自身の業務知識の向上にも繋がるという。
「許認可は一度得たら終わりではなく定期的な更新が必要なので、気を抜かず継続して業務に励みます。」
『S』は、そう力強く話してくれた。